合皮を仕立てた エナメルバックを膝に乗せ 今日もいよいよ 朝の電車が満たされる 相も変わらず 黒いズボンや靴下が多くて 車両に差す明かりすら 人だかりの陰を映す まるでシュヴァルツヴァルトに迷い込んだようだ
何かが足りなくて 誰かに急かされる いつ冷めてもおかしくない ぬるま湯な日々の中 確かな熱が欲しいんだ 確かな励ましが欲しいんだ でも確かにもがいてる今を 否定されるのは嫌だから
“頑張っているのなら ただ挫けないで 諦めないで 折れた時思い出して 目指した光と 始まりの歩みの 一歩”
年季の入った エナメルバックを膝に乗せ 高架渡る音(ね) 見上げ車窓で顔を見る 相も変わらず 細いネオンに疲れた眼差しで 気晴らしを歌う曲 すら耳障りで栓を抜く まるで軋んだ歯車 噛み合わぬオトのよう
やりたいことがあり 否定されもしない 恵まれているなど 分かりきった日々の中 確かにどこか甘かった 確かに踏み切れぬだけだった でも痛くても大事なことを 寄り添いながらも言って欲しい…かった
(間奏)
分かっていても憂鬱な時 悩もうと前は見てる時 「下を向いてる、上を向け」だなんて 他人事なこと言われたくないものなんだ
だから どうせなら__
“頑張っているのなら ただ挫けないで 戸惑わないで 折れたなら奏でようか 自分が歩んだ 道の轍の 唄を
まだ進むことをどこかで願う 君と” |